会社設立の相談:株式会社の払込みの方法について新会社法での改正を中心に説明

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会社設立

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株式会社の払い込みの方法について

相談

これから株式会社を作ろうと思うのですが、払込金の取扱について改正がされたと聞きました。
払い込みの方法について、お教えください。

回答

株式会社の設立の方法

株式会社の設立の方法には、発起設立(発起人が設立時に発行するすべての株式を引受ける)と募集設立(発起人による株式引受けのほか、残りの設立時発行株式を引受ける者を募集する)の二つの方法があります。

旧法では、発起設立・募集設立を問わず、会社を設立する場合、金融機関の発行する払込金保管証明書が必要でした。そして、保管証明を出した金融機関には保管証明責任が生じました。

これまでは、新たに会社を作る場合は以下のような問題がありました。

(1)金融会社はなかなか保管証明を出してくれない
何ら取引実績のない金融会社はなかなか保管証明を出してくれないこと(払込金保管証明書は設立登記の添付書類ですから、払込金保管証明書がなければ会社は成立できません)

(2)時間がかかる
証明書を発行するまで時間も費用もかかってしまいます。

(3)資本金が使えない
登記を完成するまでは資本金を利用できないこと(最判昭和37年3月2日)等が難点。

新会社法での改正

そこで、新しく成立した会社法では、募集設立の場合は、株式申込人を保護するために従来どおり払込金保管証明の制度を存続させましたが、発起設立の場合は、払込金保管証明は不要とし(会社法64条参照)、会社法第34条第1項の規定による払込みがあったことを証する書面を添付すれば足りるものとしました(商登法47条2項5号)。

払込みがあったことを証する書面としては、払込金受入証明書、又は設立時代表取締役又は設立時代表執行役の作成に係る払込取扱機関に払い込まれた金額を証明する書面に、払込取扱機関における口座の預金通帳の写し、あるいは、取引明細表その他の払込取扱機関が作成した書面を合綴したものとされています(平成18年3月31日民商第782号通達)。

すなわち、代表者個人の口座に出資する人たちが出資金を振込み、その通帳をコピーして、その通帳のコピーと代表者の作成した払込取扱機関に払込まれた金額を証明する書面を合綴します。

なお、預金通帳の写しの内容としては、払込まれた事実が記載されたものであることを要し、払込まれた額に相当する額が残高としてあることの記載のみでは足りないとされています。したがって、金融機関の作成した残高証明書による証明を許容する見解も示されていましたが、払込まれた事実が記載されていないので、残高証明書を払込があったことを証する書面として取り扱うことはできないと考えられます。

最低資本金の下限額の撤廃

会社法では、株式会社を設立する場合、定款で「設立に際して財産の価値」または「その最低額」を定めることが要求されます。ところが、この「最低額」については、その下限額の規制がなくなりました。

すなわち、最低資本金の下限額(従前の株式会社の場合は1000万円)が撤廃されたのです。その結果、資本金が0円の会社を設立することも可能になりました。ただし、こうした会社が社会的経済的信用を得られるか否かは、別の問題です。

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池田弁護士

池田崇志
いけだたかし

メルボルン事件や姫路冤罪事件を初め、多くの国際的な事件を取り扱う法律のスペシャリスト。企業の顧問として、多くの会社の法律面でのコンサルティングも行われています。

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