会社設立の相談:株式会社の監査役の権限について新会社法での改正を中心に説明
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監査役の権限とは?必ず置かなければならないのですか?

新しい会社法においては監査役の権限が拡大したとお聞きしたのですが、どのようになっているのでしょうか。
また、以前の有限会社のような中小企業においては監査役を置く必要は必ずしもなかったはずですが、株式会社となれば必ず置かなければならないのでしょうか。
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監査役の権限には業務監査(取締役の業務執行が法令や会社の定款に準拠して行なわれているかどうかを監査すること)と会計監査(取締役が株主総会に提出しようとする会計に関する議案等を調査監査します)があります。
従来は、小会社の監査役は会計監査権限のみしか有していませんでした。
しかし、今回の会社法では原則として、監査役はすべての株式会社において業務監査権限及び会計監査権限の両者を有しています(会社法381条1項)
ですから、監査役の権限が拡大したというよりも、会計監査権限に限られる会社のケースが減少したに過ぎないものといえます。
即ち、例外として、公開会社でない株式会社(監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く)は、定款で監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定することができるようになっています(会社法389条1項。なお,大会社には会計監査人を置かなければならない(会社法8条)ので、大会社は、この規定を置くことはできません)。したがって、株式に譲渡制限の付いた中小企業での採用が考えられるところです。
ところで、従来の株式会社は,委員会等設置会社を除いて、必ず監査役を置かなければなりませんでした。 しかし、会社法においては株式会社と有限会社(監査役は任意機関でした)とを統合したこともあり、置かなくてもよい場合が増えました。
(1)まず、委員会設置会社は,そもそも監査役を置いてはいけません(会社法327条4項)。
(2)次に、大会社ではなく非公開会社で取締役会を設置していない場合(取締役会設置会社は監査役を置かなければなりません(会社法327条2項)
そして、公開会社は取締役会を置かなければなりません(会社法327条1項1号)。
また、大会社には必ず会計監査人を置かなければならず、会計監査人設置会社は、監査役を置かなければなりません(会社法328条、327条8項))
(3)さらに、大会社ではなく非公開会社で取締役会を設置しているが会計参与を設置した場合(会社法327条2項)
委員会設置会社を除いて、会社法は非公開会社(すべての株式に付き譲渡制限が付いている会社)に限り監査役(あるいは監査委員)を置かなくてもよいようにしました。
そうすると、会社の業務執行を監督する機関が存在しないことになりますので、取締役による業務執行権の濫用等により、株主等の利益が害されるおそれがあります。
そこで、たとえば、次のように株主の監督権限を強化しています。
(1)株主には取締役会の招集請求権があります(会社法367条1項)。また,当該取締役会に出席し,意見を述べることができることになります(同条4項)
(2)株主による取締役会議事録の閲覧請求について,裁判所の許可が不要です(会社法371条2項)
(3)取締役は株主に対して報告義務を負います(会社法357条1項)
(4)違法行為の差し止め請求権の要件が「回復することができない損害」ではなく「著しい損害」の生じるおそれで足りることになります(会社法360条1項)
(5)取締役の過半数の同意があれば取締役等の責任の一部免除ができる定款の定めの制度の適用がありません(会社法426条1項)
以上の点は、たとえ、監査役が置かれていても、監査の範囲が会計に関するものに限られている監査役の場合にも妥当します(そのような監査役は監査役設置会社から除かれています(会社法2条9号)